個別記事
Ubuntu の入手について
[UEFI基本編]Ubuntu 16.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築
[UEFI暗号化編]Ubuntu 16.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築
[UEFI環境編]Ubuntu 14.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築
[Legacy環境編]Ubuntu 14.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築
目次
Ubuntu の入手について
Ubuntu の最新版は、以下のサイトで配布されています。
Ubuntu Home Page (英語)
http://www.ubuntu.com/download
32-bit 版 ISO などは、こちらからダウンロードします。
Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード
https://www.ubuntulinux.jp/download/ja-remix
ダウンロードしたISOイメージはDVDに焼いて挿入するかVMwareなどのドライブにマウントして起動すれば、あたり前ですがインストーラーが起動するほか、試用することもできます。
インストールを行うときに使うメディアについて、都度DVDに焼くのは経済的ではありませんので、インストール用のBootable USB を作成するのがおすすめです。
“Universal USB Installer – Easy as 1 2 3″というツールが比較的使いやすいと思います。
Universal USB Installer – Easy as 1 2 3
http://www.pendrivelinux.com/universal-usb-installer-easy-as-1-2-3/
ダウンロードした「Universal-USB-Installer-1.9.6.0.exe」を右クリックして管理者として実行。
必要に応じて「We will format」にチェックをする
手動で作成
UEFI環境では、ブートセクタを読み込んで、といった動きをしませんので、ツールを使わなくても以下の方法で作成できます。
・ISOイメージより大容量のUSBメモリを入手します。
・そのUSBデバイスをFAT32でフォーマットします。
・フォーマットしたUSBデバイスに、ISOイメージファイルの中身を展開してコピーします。
UEFI環境では、これだけでブートするはずです(VMware では、USB デバイスからのブートに対応していませんので、ISOイメージを挿入設定してください)。
Ubuntu 16.04 LTS @ UEFI 環境
Step:1 はじめに
過去に「[UEFI環境編]Ubuntu 14.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築」という記事を書きましたが、Ubuntu 16.04 LTS がリリースされていますので、バージョンアップ対応の記事を書きます。
今回は、UEFI-BIOSが広く普及していることから、EFI ブート環境でMicrosoft Windows10 のインストールしてある PC に、Ubuntu 16.04 LTS をインストールしデュアルブート(マルチブート)できるように設定してみたいと思います。
とはいってもインストーラーを EFI 環境でブートさせてインストールする以外は、Legacy BIOS 環境とほとんど変わりません(インストール先のデバイスのパーティションレイアウトが MBR と GPT とで異なるところが違います。この影響でパーティションやブートローダー周りの設定が異なってきます)。
なお、Windows7 や Windows8 でのデュアルブートもあまり変わるところはないと思いますが、標準の Windows7 のインストーラーは UEFI ブートに対応していませんので、インストール用のUSBメモリを作成する必要があります。
インストールメディアの用意
インストールするディストリビューションのISOイメージを入手する必要があります。VM などの仮想マシンにインストールする場合は、ISOイメージがそのまま使えます。物理 PC にインストールする場合など、ブータブルのメディアを用意する必要がある場合は、以下の手順で作成することをお勧めします。
・ISOイメージより大容量のUSBメモリを入手します。
・そのUSBデバイスをFAT32でフォーマットします。
・フォーマットしたUSBデバイスに、ISOイメージファイルの中身を展開してコピーします。
UEFI環境では、これだけでブートするはずです(VMware では、USB デバイスからのブートに対応していませんので、ISOイメージを挿入設定してください)。
インストールする Ubuntu のディストリビューションは、16.04 LTS 日本語Remix amd64 を選択しました。16.10 の方が最新ですが、16.04 の方が安定していますし、サポート期間が長くなっています。
ちなみに、LTS は Long Term Support の頭文字をとったものです。リリース時期とサポート期間のタイムラインは、Wikipedia のチャートが見やすいです。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/df6aab32345bbc3b37adbd90d5092d3b.png
検証には、ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso をダウンロードして使いました。
Step:2 インストール領域の確保など
空き領域の作成
まず、Ubuntu をインストールするための領域を確保します。
スタートメニューを右クリックして「コントロールパネル」を選択。「システムとセキュリティ」>「管理ツール」と開き、「コンピュータの管理」を右クリックして「管理者として実行」する。
縮小するパーティションを選択して、空き領域を作成します。
ファイル共有用のパーティションの作成
つづいて、Windows と Ubuntu との間でファイル共有するとき専用の領域を作成します。特に専用の領域で共有する必要がない場合は、作成する必要はありません。お好みで作成してください。
Ubuntuのシステム要件では5Gバイト以上ストレージと記載されていますが、スワップ領域やアップグレードへの対応を含めて10Gバイト程度未割り当て領域を確保しておくことをお勧めします。
高速スタートアップの無効化
Windows 10 では、高速スタートアップが有効になっていると Ubuntu から「NTFS領域をマウントできない」という仕様になっているようですので、必要に応じて高速スタートアップを無効化します。インストール後の環境にNTFS領域やReFS領域が全くない場合は、この手順は不要です。
また、高速スタートアップが有効な状態でデュアルブート環境を構築する際の危険性については、こちら(Windows7からWindows10へアップグレードしたユーザーにありがちな罠)を参照。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックして、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックをはずし「変更の保存」をクリックします。
Step:3 Ubuntu のインストール
Live環境の起動
いよいよUbuntuのインストールです。
作成したインストールメディアを接続するか、ダウンロードした ISO を挿入する設定をして、当該デバイスから PC をブートします。
※ grub ブートローダー画面が表示されずエラー画面が表示された場合は、セキュアブートがオンになっていないか確認してください。
”Try Ubuntu without Installing”を選択します。
Live環境を構築するのに、割と時間がかかります。現在の処理状況は、ESC キーを押すと確認できます。
お好みで、”gparted”や”fdisk -l”を実行してパーティションの状況を確認しながらインストールします。
インストーラーの起動
デスクトップ左上の”Ubuntu 16.04 LTS のインストール”をクリックしてインストーラーを起動します。
適当に進めていくと、インストールボタンが表示されます。
”Ubuntu を windows Boot Manager とは別にインストール”というオプションが選択されていることを確認し、”インストール”ボタンをクリックします。
ハードディスクの空き容量が足りていないと、このオプションが表示されません。Ubuntuのシステム要件では5Gバイト以上ストレージと記載されていますが、スワップ領域やアップグレードへの対応を含めて10Gバイト程度未割り当て領域を確保しておくことをお勧めします。未割り当て領域を確認し必要に応じて再調整をしてから、再度試みてください。
変更を加えるパーティションの確認画面が出てきます。
そのまま「続ける」をクリックし、インストールを実行します(LegacyBIOS環境の場合で(Bitlockerの関係などで)Windowsのブートローダーを使いたいときは、、過去の記事を参考に、「戻る」をクリック「それ以外」を選択して、パーティションの設定を行ってください)。
マウントポイント | 利用方法 | |
/boot | ext4 | ブートローダーのインストール場所 |
/ | ext4 | OSのインストール場所 |
linux-swap | スワップ領域 | 割り当てメモリにもよりますがなくても大丈夫です。 |
初期設定
初期ユーザーの情報などを入力します。あとで変えられるので適当に・・・。
インストール完了です。
GRUB2が起動します。頻繁にUbuntuとWindows10を切り替えるのであれば、このままで良いでしょう。
Windowsがメインで、たまにUbuntuであれば、UEFIのブートローダーの起動順序を、Windows優先に変えておきましょう。
Step:4 ブートマネージャーの設定
起動順序の変更
Step:3 まででインストール作業は完了です。
再起動するとデフォルトで Ubuntu が起動すると思いますので、Windows が起動するように設定します。
Ubuntu を起動したいときは、UEFIのブートローダーを開いて”ubuntu” を選択すると起動できます。
WindowsからUbuntuを起動する
Windows 起動中に Ubuntu を起動する必要が生じたときは、以下の操作をすることにより、Ubuntu を起動することができます。
スタートボタンをクリックし、”設定”を開き”更新とセキュリティ”を選択します。
デバイスの使用を選択。Ubuntu と表示されているので、こちらをクリックすると、GRUB2が起動します。
Ubuntu 16.04 LTS @ UEFI 暗号化環境
Step:1 はじめに
先日「[UEFI基本編]Ubuntu 16.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築」という記事を書きましたが、その環境を持ち歩くにはセキュリティ面で配慮が必要です。
ということで、今回は、持ち歩いても大丈夫なように暗号化した環境の構築手順についてまとめました。基本編と内容が重複する部分もありますが、ポイントだけ解説すると全体の構成が分かりにくくなったりしますので、改めて最初から構築する方法を記載します。
今回も、UEFI-BIOSが広く普及していることから、EFI ブート環境でMicrosoft Windows10 のインストールしてある PC を Bitlocker で暗号化し、Ubuntu 16.04 LTS をインストールし、セキュアーなデュアルブート(マルチブート)環境を構築したい思います。
とはいってもインストーラーを EFI 環境でブートさせてインストールする以外は、Legacy BIOS 環境とほとんど変わりません(インストール先のデバイスのパーティションレイアウトが MBR と GPT とで異なるところが違います。この影響でパーティションやブートローダー周りの設定が異なってきます)。
なお、Windows7 や Windows8 でのデュアルブートもあまり変わるところはないと思いますが、標準の Windows7 のインストーラーは UEFI ブートに対応していませんので、インストール用のUSBメモリを作成する必要があります。
インストールメディアの用意
インストールするディストリビューションのISOイメージを入手する必要があります。VM などの仮想マシンにインストールする場合は、ISOイメージがそのまま使えます。物理 PC にインストールする場合など、ブータブルのメディアを用意する必要がある場合は、以下の手順で作成することをお勧めします。
・ISOイメージより大容量のUSBメモリを入手します。
・そのUSBデバイスをFAT32でフォーマットします。
・フォーマットしたUSBデバイスに、ISOイメージファイルの中身を展開してコピーします。
UEFI環境では、これだけでブートするはずです(VMware では、USB デバイスからのブートに対応していませんので、ISOイメージを挿入設定してください)。
インストールする Ubuntu のディストリビューションは、16.04 LTS 日本語Remix amd64 を選択しました。16.10 の方が最新ですが、16.04 の方が安定していますし、サポート期間が長くなっています。
ちなみに、LTS は Long Term Support の頭文字をとったものです。リリース時期とサポート期間のタイムラインは、Wikipedia のチャートが見やすいです。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/df6aab32345bbc3b37adbd90d5092d3b.png
検証には、ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso をダウンロードして使いました。
Step:2 インストール領域の確保など
空き領域の作成
まず、Ubuntu をインストールするための領域を確保します。
スタートメニューを右クリックして「コントロールパネル」を選択。「システムとセキュリティ」>「管理ツール」と開き、「コンピュータの管理」を右クリックして「管理者として実行」する。
縮小するパーティションを選択して、空き領域を作成します。
ファイル共有用のパーティションの作成
つづいて、Windows と Ubuntu との間でファイル共有するとき専用の領域を作成します。特に専用の領域で共有する必要がない場合は、作成する必要はありません。お好みで作成してください。
Ubuntuのシステム要件では5Gバイト以上ストレージと記載されていますが、スワップ領域やアップグレードへの対応を含めて10Gバイト程度未割り当て領域を確保しておくことをお勧めします。
高速スタートアップの無効化
Windows 10 では、高速スタートアップが有効になっていると Ubuntu から「NTFS領域をマウントできない」という仕様になっているようですので、必要に応じて高速スタートアップを無効化します。インストール後の環境にNTFS領域やReFS領域が全くない場合は、この手順は不要です。
また、高速スタートアップが有効な状態でデュアルブート環境を構築する際の危険性については、こちら(Windows7からWindows10へアップグレードしたユーザーにありがちな罠)を参照。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックして、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックをはずし「変更の保存」をクリックします。
Step:3 Bitlocker で Windows を暗号化
まず、Windows が Bitlocker に対応しているか確認します。Home Edition のみ Bitlocker には対応していません。
コントロールパネル > システム からエディションを確認します。
コントロールパネルからBitlockerドライブの暗号化を選択します。
あれ?エラーが表示されました。
このエラーは、TPM(Trusted Platform Module)に OS がアクセスできなかった場合に表示されるエラーです。TPM 内蔵の PC でこのエラーが表示された場合は、TPM が BIOS 設定で無効(Disable)になっている可能性があります。有効(Enable)に設定して再起動するとこのエラーは表示されません。
Bitlocker の機能をフルに活用するためには TPM が必要です。
TPM 内蔵の PC ではなくても、システムの整合性検証機能などは利用できませんが、パスワード、あるいは外部キーで有効にすることができます。
今回は、紹介用に仮想マシン上に環境を構築していますので、TPM がついていません。 TPM 内蔵の場合は、ポリシー変更の手順を省略できますので、読み飛ばしてください。
ローカルグループポリシーの変更
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、”gpedit”を起動します。
詳しい解説は、こちら(Bitlocker を 柔軟に使うおまじない)を参照。
グループポリシーを更新します。
再度、有効にします。
Bitlockerの有効化
無事暗号化が開始されました(TPM を使った暗号化の場合は、パスワード入力画面が表示されません)。
Step:4 Ubuntu のインストール
Live環境の起動
いよいよUbuntuのインストールです。
作成したインストールメディアを接続するか、ダウンロードした ISO を挿入する設定をして、当該デバイスから PC をブートします。
※ grub ブートローダー画面が表示されずエラー画面が表示された場合は、セキュアブートがオンになっていないか確認してください。
※ セキュアブートの設定を変更すると、Windowsを起動しようとしたときTPMがシステム構成の変更を検知して、回復キーの入力を求められるようになります。
※ セキュアブートの設定を戻すと正常に起動しますので、ご安心ください。また、回復キーを入力して起動後、Bitlockerの保護の中断してから再開すると、次回から回復キーの入力がなくても起動するようになります。
”Try Ubuntu without Installing”を選択します。
Live環境を構築するのに、割と時間がかかります。現在の処理状況は、ESC キーを押すと確認できます。
お好みで、”gparted”や”fdisk -l”を実行してパーティションの状況を確認しながらインストールします。
インストーラーの起動
デスクトップ左上の”Ubuntu 16.04 LTS のインストール”をクリックしてインストーラーを起動します。
適当に進めていくと、インストールボタンが表示されます。今回は、暗号化ボリュームを作成してからインストールしますので、必ず「それ以外」を選択します。
重要なのでもう一度。
必ず「それ以外」を選択
ブートパーティションの作成
Ubuntu は、暗号化したボリュームにインストールするのですが、その暗号化を解除するプログラムは非暗号化で用意する必要があります。
空き領域を選択して、”/boot”をマウントポイントとしたパーティションを作成します。容量は、念のため 512MB としておいた方が良いでしょう。
ブートローダーのインストール場所を先ほど作成したパーティションに変更しておきます。
暗号化ボリュームの作成
暗号化を解除するためのパスワードを設定し、OKをクリックします。
暗号化ボリュームを作成するのに、かなり時間がかかりました。ずっとくるくる回ってます。
作成が完了すると一覧に”/dev/mapper/sda7_crypt”というのが表示されます。
マウントポイントの設定
”/dev/mapper/sda7_crypt”のうち ext4 でフォーマットされている下の方を選択し、「変更」をクリックしてマウントポイント”/”を設定します。
Windows と Ubuntu の両方を暗号化しますので、それぞれの OS 間でファイルのやり取りができるように、Step2 で作成したパーティションにマウントポイントを設定します。高速スタートアップを無効にしておく場合は NTFS でも良いのですが、不測の事態が生じないように FAT32 でフォーマットしておくことをお勧めします。
以上で、パーティションの設定は終了です。
右下のインストールボタンを押してインストールに進みます。
スワップ領域が設定されていないことと、変更を加えるパーティションについて警告が表示されますが、そのまま進めます。
初期設定
初期ユーザーの情報などを入力します。あとで変えられるので適当に・・・。
インストール完了です。
GRUB2が起動します。頻繁にUbuntuとWindows10を切り替えるのであれば、このままで良いでしょう。
Ubuntu を選択すると以下のような画面になりパスワードの入力を求められます。
Step:5 スワップファイルの設定
Step:4 まででインストール作業は完了です。
Ubuntu のインストーラーを使ったインストール方法では、正しくスワップ領域が設定できませんでしたので、必要に応じて暗号化ボリューム内にスワップファイルを作成します。
スワップファイルの作成
ディスク容量が少ないので、今回は1GBのスワップを割り当てます。
端末(terminal)を起動して以下の通り入力し、適宜パスワードを入力します。
1 2 3 4 |
sudo dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1M count=1024 sudo chmod 600 /swapfile sudo mkswap /swapfile sudo swapon /swapfile |
再起動するとスワップの割り当てがリセットされるので、恒久的に適用されるように以下のファイルを編集
1 |
sudo nano /etc/fstab |
1 |
/swapfile swap swap defaults 0 0 |
スワップメモリが有効になっているか、確認します。
1 |
free |
Step:6 ブートマネージャーの設定
起動順序の変更
Windowsがメインで、たまにUbuntuであれば、UEFIのブートローダーの起動順序を、Windows優先に変えておきましょう。
再起動するとデフォルトで Ubuntu が起動すると思いますので、Windows が起動するように設定します。
Ubuntu を起動したいときは、UEFIのブートローダーを開いて”ubuntu” を選択すると起動できます。
WindowsからUbuntuを起動する
Windows 起動中に Ubuntu を起動する必要が生じたときは、以下の操作をすることにより、Ubuntu を起動することができます。
スタートボタンをクリックし、”設定”を開き”更新とセキュリティ”を選択します。
デバイスの使用を選択。Ubuntu と表示されているので、こちらをクリックすると、GRUB2が起動します。
Ubuntu 14.04 LTS @ UEFI 環境
Step:1 はじめに
今回は、「Microsoft Windows 10 Technical Preview をインストールしてみた」に引き続き、EFIブート環境でMicrosoftWindows10TP のインストールしてあるPCに、Ubuntuをインストールしデュアルブート(マルチブート)できるように設定してみたいと思います。
とはいってもインストーラーをEFI環境でブートさせてインストールする以外は、LegacyBIOS環境とほとんど変わりません。
なお、Windows7 や Windows8 でのデュアルブートもあまり変わるところはないと思いますが、標準の Windows7 のインストーラーは UEFI ブートに対応していませんので、インストール用のUSBメモリを作成する必要があります。
インストールメディアの用意
Ubuntu の入手についてを参照。
http://www.abten.net/2015/05/312/
インストールする Ubuntu のディストリビューションは、14.04 LTS 日本語Remix amd64 を選択しました。15.04 の方が最新ですが、14.04 の方が安定していますし、サポート期間が長くなっています。
ちなみに、LTS は Long Term Support の頭文字をとったものです。
リリース時期とサポート期間のタイムラインは、Wikipedia のチャートが見やすいです。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/5df53f33cef26308cffe508067099e71.png
検証には、ubuntu-ja-14.04-desktop-amd64.iso をダウンロードして使いました。
Step:2 インストール領域の確保
空き領域の作成
まず、Ubuntu をインストールするための領域を確保します。
スタートメニューを右クリックして「コントロールパネル」を選択。「システムとセキュリティ」>「管理ツール」と開き、「コンピュータの管理」を右クリックして「管理者として実行」する。
「ディスクの管理」から領域を確保したいパーティションを選択して、右クリック「ボリュームの縮小」をクリックする。
適当に縮小して空き領域を確保。このとき最低限7GB程度は確保してください。
高速スタートアップの無効化
Windows 10 では、高速スタートアップが有効になっていると Ubuntu から「NTFS領域をマウントできない」という仕様になっているようですので、必要に応じて高速スタートアップを無効化します。インストール後の環境にNTFS領域やReFS領域が全くない場合は、この手順は不要です。
また、高速スタートアップが有効な状態でデュアルブート環境を構築する際の危険性については、こちら(Windows7からWindows10へアップグレードしたユーザーにありがちな罠)を参照。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックして、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックをはずし「変更の保存」をクリックします。
Step:3 Ubuntu のインストール
Live環境の起動
ubuntu-ja-14.04-desktop-amd64.iso を挿入して、Boot Manager からCDROM Drive を選択し起動します。grub ブートローダー画面が表示されたら、今回は”Try Ubuntu with out installing”を選択しましょう。
※ grub ブートローダー画面が表示されずエラー画面が表示された場合は、セキュアブートがオンになっていないか確認してください。
Ubuntuが起動を始めますが、ロゴが表示されて全く動かないときは、ESC キーを押してみると、現在の状態が表示されます。
インストーラーの起動
デスクトップ画面が表示されたら左上の”Ubuntu 14.04 LTS のインストール”クリックしてインストーラーを起動します。必要に応じて”gparted”などを起動して、パーティションの状況を確認します。
ハードディスクにインストールされている内容に応じて、メニュー項目が変わります。右下の「インストール」を押してしまうと、いきなりパーティションの書き換えを行いインストールが始まってしまいます。必ず「それ以外」を選択して「続ける」をクリックします。
パーティションの作成
パーティションを作成していきます。
マウントポイント | 利用方法 | |
/boot | ext4 | ブートローダーのインストール場所 |
/ | ext4 | OSのインストール場所 |
linux-swap | スワップ領域 | 割り当てメモリにもよりますがなくても大丈夫です。 |
NTFS や FAT32 の領域を選択してChange をクリック、マウントポイントを”/windows”などと入力しておくと便利です。
ブートローダーのインストール場所の選択
ブートローダーのインストール場所として、先ほど”/boot”をマウントポイントとして作成した”/dev/sda5″を選択しましょう。
初期設定
インストールをクリックし、ロケールやキーボードを選択します。
管理用のアカウントを作成します。後で設定は変えられるので、適当に入力しておきます。
再起動します。最後に”ENTER”を押さないと再起動しません。
Step:4 ブートマネージャーの設定
起動順序の変更
Step:3 まででインストール作業は完了です。
再起動するとデフォルトで Ubuntu が起動すると思いますので、Windows が起動するように設定します。
Ubuntu を起動したいときは、BootManager を開いて”ubuntu” を選択すると起動できます。
また、Windows10のブートメニューへの追加は今回行いませんでした。EFI環境の特性から考えて、わざわざWindows10のブートローダを読み込んでからUbuntuを選択して起動するのは、(EFIにそもそもブートマネージャーの機能がありますので)起動に時間もかかるし迂路だからです。もっとも、Windows10 のブートローダーで起動デバイスを選択すれば Ubuntu を起動することもできます。
Ubuntu 14.04 LTS @ Legacy 環境(32-bit)
Step:1 はじめに
今回は、「[UEFI環境編]Ubuntu 14.04 LTS と Windows10 とのデュアルブート環境の構築」に引き続き、Legacy(BIOS)環境でMicrosoftWindows10TP のインストールしてあるPCに、UbuntuをインストールしWinfowsのブートローダーでデュアルブート(マルチブート)できるように設定してみたいと思います。
インストールメディアの用意
前回記事を参考に、Legacy(BIOS)環境で Windows10 をインストールし、Ubuntu のインストールメディアの用意ができたら、Step:2に進みます。
なお、今回も前回と同じくインストールする Ubuntu のディストリビューションは、14.04 LTS 日本語Remix amd64 を選択しました。15.04 の方が最新ですが、14.04 の方が安定していますし、サポート期間が長くなっています。
ちなみに、LTS は Long Term Support の頭文字をとったものです。
リリース時期とサポート期間のタイムラインは、Wikipedia のチャートが見やすいです。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/5df53f33cef26308cffe508067099e71.png
検証には、ubuntu-ja-14.04-desktop-amd64.iso をダウンロードして使いました。
また、今回は64-bit環境で行いましたが、32-bit環境でも、基本的に変わらないでしょう。
32-bit 版 ISO は、こちら(RIKEN Mirror)。ubuntu-14.04.5-desktop-i386.iso
Step:2 Ubuntu のインストール
インストーラーの起動
とりあえず、インストーラーを起動します。
必ず「それ以外」を選択
必ず「それ以外」を選択します。間違えてインストールを押してしまうといきなりMBRを書き換えてインストールが始まってしまいます。
パーティションの作成
空き領域にパーティションを設定していきます。
マウントポイント | 利用方法 | |
/boot | ext4 | ブートローダーのインストール場所 |
/ | ext4 | OSのインストール場所 |
linux-swap | スワップ領域 | 割り当てメモリにもよりますがなくても大丈夫です。 |
NTFS や FAT32 の領域を選択してChange をクリック、マウントポイントを”/windows”などと入力しておくと便利です。
ブートローダーのインストール場所の選択
ブートローダーのインストール場所として、先ほど”/boot”をマウントポイントとして作成した”/dev/sda5″を選択しましょう。
HDDが複数接続されている場合は、”/dev/sdb*”や”/dev/sdc*”だったりします。
ブートローダーのインストールデバイスに誤りがないか十分に確認してインストールをクリック。
初期設定
あとで変えられるので、とりあえず適当に。
試用の継続
インストールが完了したあとは「試用を続ける」をクリックして端末を起動します。
ブートセクタイメージの作成
Windows から Ubuntu のブートローダーを呼び出せるようにブートセクタのイメージを作成します。
1 |
sudo dd if=/dev/sda5 of=boot.img bs=512 count=1 |
※ dd コマンドは、多機能なコピーコマンドです。
※ 詳細はこちら
“if=”でインプットデバイスを選択します。Ubuntuのインストールでブートローダーのインストール先として指定したデバイス名を入力します。私の環境では、”/dev/sda5″にブートローダーをインストールしましたので”if=/dev/sda5″と指定します。
“of=”でアウトプットデバイスを選択しますが、今回は、ブートセクタのイメージのまま利用しますので、任意のファイル名を入力します。拡張子は何でも良いです。今回はimgとしていますがpbr(Primary Boot Record)とする場合もあるようです。
“bs=”で書き出す長さを指定します。今回は512バイトですので”bs=512″と入力します。
書き出した後は Windowsから読み込める適当な場所にコピーしましょう。
ここまで完了したら再起動します。
再起動画面では最後に”ENTER”を押さないと再起動しませんので、忘れずに押しましょう。
また、再起動後は Windows が起動するはずですので、Ubuntuが起動した場合はブートローダーのインストール先を間違えたのだと思います。頑張ってください。
Step:3 Windows ブートローダーの設定
bcdedit
あと一息です。
先ほど作成したUbuntuのブートセクタのイメージを適当な場所にコピーします。
今回は、c:\以下に保存します。
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを実行します。
1 |
bcdedit /create /d "Ubuntu14.04LTS" /application bootsector |
“エントリ {e4966e1f-0224-11e5-9cc4-ff0a95ef5295} は正常に作成されました。”と返ってきました。
{e4966e1f-0224-11e5-9cc4-ff0a95ef5295} の部分はヘルプなどで {<ID>} と表記されている部分になります。OS から 任意に割り当てて返ってくる値ですので、都度変わります。
ブートローダーのメニューに表示されるように、以下のコマンドを実行します。
1 |
bcdedit /displayorder {<ID>} /addlast |
次に、リアルモードブートセクタにかかる変数を設定していきます。
1 |
bcdedit /set {<ID>} device partition=C: |
1 |
bcdedit /set {<ID>} path \boot.img |
デフォルトではブートローダーのOS選択画面のタイムアウトは30秒ですが、長いので5秒に変更します。
1 |
bcdedit /timeout 5 |
以上で設定完了です。再起動して、正しく起動するか確認しましょう。
TPMを利用してBitlockerの暗号化解除を行える、というか行うのはOSドライブのみです。
つまり、Windows7等のインストールされているパーティションの暗号化が解除されます。
その他のパーティションをBitlockerで暗号化している場合は、ブートローダーからパーティションの中身が見えないので、回復キーやスタートアップキーを求めてきます。
基本的には回復プロセスをスキップしてやれば、Windowsが起動できることはもちろん、Ubuntuを起動することもできます。
この回復コンソールを表示させない方法は、ブートローダーにBitlockerのスタートアップキー(たぶん正確にはExternalKey)を与えてやれば良いのです。
キーの与え方は、既に解除されているWindowsのOSドライブのルートに保存すると、とりあえずはOKです。
たとえば、”AFB56092-FD6B-4DA7-B180-E69D6DF6E195.BEK”というファイルをCドライブの直下に保存すれば良いのです。
“BitLocker 回復キー 02B39FC1-9B96-40B5-AFE2-B046D35300C3.TXT”といったファイルもありますが、これは不要ですし、これだけだと解除されません。
hogehoge.BEKは、システムファイル扱いになっていますので、フォルダオプションから表示するように変えないと見えません。
余談のようで重要なことですが、このhogehoge.BEKというファイル(たぶん正確にはExternalKey)ですが、コントロールパネルのBitlocker管理から回復キーのバックアップを行ったとき、バックアップ方法を「USBフラッシュドライブに保存する」を選択すると、先ほどの”BitLocker 回復キー 02B39FC1-9B96-40B5-AFE2-B046D35300C3.TXT”が生成されるのと同時に、勝手に(ここ重要)保存されているのです。
この仕組みを理解していない人は、”BitLocker 回復キー 02B39FC1-9B96-40B5-AFE2-B046D35300C3.TXT”だけ大切に保存して、まさかこないに重要なhogehoge.BEKが保存されているとも気づかずに、そのUSBドライブを使い続けてしまうのです。(こわいこわい)
もっとも、この方法では、一般ユーザーでもスタートアップキーにアクセスすることが可能になってしまいますので、信頼のおけない方とPCをシェアするときは注意が必要です。
取り急ぎ、以上でご容赦を。